行政書士は司法書士と比べると、合格率や必要な勉強時間といった点で明らかにカジュアル。
手を伸ばしやすくて助かりますね。
とはいうものの、行政書士だって落ちる人のほうが毎年ずっと多い資格試験。
いい加減な態度で目指すべきではありません。
しかしうれしいのは、通信教育を申し込んだら勉強に一気に弾みがつくことです。
通信講座の費用も気になるかもしれませんが、つぎ込んだ料金があとで戻ってくる通信教育も今では当たり前になっていますね。
ところで今の行政書士の通信講座では、「返金保証制度」が一般的です。
簡潔に書くなら、払った授業料をあとで取り戻せるチャンスがあるわけです。
そこで返金保証制度を基準値にして、行政書士の通信講座ランキングを集計しました!
※なお、今回は「合格返金制度」と一緒に若干「合格お祝い金」のような制度も取り上げています。
これは両方の制度がときどき、似通っているためです(会社によっては、両方を兼ねた制度になっていることもありますね)。
目次
おすすめ講座 第1位 フォーサイト
フォーサイトは行政書士の通信教育業界では、どちらかといったら老舗に属するほうでしょう。
過去数年以内に新規参入した会社がいくつもある中で、10年以上前から開講していますから。
そんなフォーサイトですが、安い通信が今ほどなかった時代から「安い!」と評判でした。
ただそんなフォーサイトも、返金保証制度は長いこと取り入れませんでした。
最初から、安い価格帯を一貫して守ってきたので、そこまでする必要性を感じなかったのかもしれません。
しかし今では、全額返金保証制度をやっています。その主な条件は、以下の通りです。
- 全ての確認テストにおいて100点を取得すること
- 専用試験(学力テスト)を受験すること※年度により条件が異なる
- 本試験にて合格基準点の9割を満たすこと(300点満点中180点で合格の場合162点以上)、足切りの点数以上を取得すること(「一般知識」で24点以上)
※このほか、必要な書類を出したり、教材を返却したり……といった、当たり前の条件がつきます。
フォーサイトの場合、返金保証制度は「自信の裏付け」にもとづいた制度に仕上がっている点が印象的ですね。
合格率が高いですし、そのカリキュラムの下で高い学力を身に着けていたことが明らかな場合は、堂々と返却できる……と考えていることが読み取れます。
おすすめ講座 第2位 ユーキャン
ユーキャンの場合、返金保証制度はまったくありません。ユーキャンは過去においても、そのような制度が設置されていた気配が感じ取れない通信教育会社のひとつです。
ユーキャンは、通信教育専門の会社(=通学教育をやっていない、通信オンリーの会社)としてはいちばん知名度が高い会社ですね。
しかし、だからといってよその通信教育がやっているサービスを、全部取り入れているとは言えないのが実情です。
ユーキャンは通信講座の受講料が昔から安いほうだったため、返金保証のような制度をわざわざまねすることに強い抵抗を感じてしまうのかもしれません。
さらに、ユーキャンは初心者向けの内容で一貫しているからでしょうか、フォーサイトなどと比べて一歩後退している面が見られます。
そして少し簡単すぎるため、長く勉強時間がかかる(1年目ではなくて2年目やそれ以後の試験で受かることを目標にする、といったケース)ことも視野に入れて計画したほうがいいのではないでしょうか。
おすすめ講座 第3位 スタディング
スタディングもユーキャンやフォーサイトと同じように、通信講座専門の会社です。
この場で結論を書いてしまうと、スタディングには合格返金制度はありません。
合格してもしなくても、とにかく返金保証を受けられるチャンスはゼロなのです。
ちなみにスタディングには、クーリングオフの制度もない模様です。
もっともこの点は、法律が保証している範囲でも適用を受けられないかどうかは疑問の余地が残るところですが……。
なおスタディングでは、合格した場合に「お祝い金」が支給される制度なら立派に存在します。
ただしこれは、10000円と極めて少額のため、受講料金のごく一部しか回収できません。
スタディングは他社と比べて、高額の受講料を請求する会社ではないため、そのような点をあまり気にする必要はないという意見もありますが。
おすすめ講座 第4位 TAC
TACはとても大型の通信教育ですね。上記のフォーサイト・ユーキャン・スタディングあたりと比べると、一線を画しています。
さて、TACではたくさんの行政書士講座をだいぶ前から開講してきました(コースも毎年、数種類開講されていますね)。
受講生向けサービスも多様で、返金保証制度も随時新しい種類を取り入れている様子です。
ではTACの現在の主な返金保証制度の条件とは?
- 1年以上にまたがるコースを申し込んでいる
- または、行政書士本試験の合格発表までに、翌年分の講座に申し込んでいる
- 合格発表を確認したら、実は合格していることが判明した
- 合格した事実や、対象講座の受講者であることを証明できる
早い話、TACのやっている合格返金保証制度とは、「(前年分の試験に)合格していたことが判明したので、(今年度の)試験に向けて勉強する必要がゼロになった」という場合のための制度です。
この点でフォーサイトとはまったく方向性が異なりますね。
もちろん、TACのやっている制度は、受講者および合格者の需要にとてもぴったりと適合していて、ほめる価値がある制度ですが!
おすすめ講座 第5位 大原
大原は合格返金保証制度を設置していますが、大原の場合はその内容がきわめてTACと酷似していますね。
大原も、「合格発表後に、もうそれ以上の受験勉強をする必要がなくなった」場合にのみ適用される制度です。
大原も、TACのように通学講座と通信講座を併設している教育事業者ですね。
したがって、大原の場合も「落ちてからすぐに、翌年の受験を意識して勉強を再開する」というパターンの受講者がたくさんいるということになります。
大手の通学講座は開講するコース自体が多めになりますし、受験勉強の経験者を意識した講座も珍しくない状態です。
試験の翌日から次年度への備えをするコースも存在するからでしょうか、こういった「合格発表を待ってから、有効になる返金保証制度」の需要が高いという特徴があるわけです。
おすすめ講座 第6位 クレアール
クレアールの合格返金保証制度は「未受講分返金制度」という正式名称を持っています。
名前からも推測できますが、受講する必要がなかったと気づいたとき(試験に受かっていたことに気づいた場合)のために準備された制度。
これも結局、合格発表の直後からしばらくの間に申し込む、TACや大原とほぼ共通の制度ですね。
クレアールの場合、返金制度を利用できるのは「セーフティコース」という名前のコースですね。
このコースは一発合格が不安な受講者のためのコースで、1年目の行政書士受験料をクレアールが負担してくれるという特典がついてきます。
その他、適用のための主な条件は、
- 合格発表後に、合格通知のコピーを証拠として提出する
- クレアールに合格体験記を書いて提供する
※合格体験記の執筆は、二重の意味でおすすめできます。
返金制度のほか、合格お祝い金(20000円)の対象にもなるからです!
おすすめ講座 第7位 アガルート
アガルートは通信講座専門の会社ですね。フォーサイト・ユーキャン・スタディングと共通点が多い会社です(たとえば、受講料金の価格帯や教材重視である点ですね……後者に関してユーキャンはやや疑問の余地がありますが)。
しかしアガルートが目指している合格返金保証制度は、通学講座主体の会社である大原やTACと近いものがあります。
アガルートの場合、2年越しのコースに全力投球しているとはいいがたいのですが……秋の行政書士試験が終わったら、すぐにでも翌年度のコースを申し込めます。
実際にすぐに申し込んだ受講生に対して、合格していることが明らかになったら、返金を認めているのです。
アガルートの主な条件は?
- 合格通知等を提出する
- 試験終了後から合格発表までに申し込みを済ませている
- 教材を返送する
- 合格体験記の執筆に同意する……etc
おすすめ講座 第8位 エル・エー
エル・エーの合格返金制度は、「合格祝賀返金制度」というユニークなネーミングが見どころですね。
エル・エーの制度は、よその通学講座・通信講座会社がやっている「合格返金保証制度」と「合格お祝い金制度」をミックスしたような制度になっている、と評価することができます。
エル・エーの制度の主な条件とは? このようになっていますね!
- 合格証書のコピーといった、必要な書類を提出する
- 合格体験記の提出に同意する
- 返金する金額は、半額と定められている
いかがでしょうか? なんと、半額が返金されます。
全額返金のフォーサイトほどではありませんが、他社と比べたら半額も戻ってくるのはとても喜ばしく感じられるのではないでしょうか?
やはり、半額戻ってくるのであれば、受験勉強にも自然と熱意がこもるものではないでしょうか。
もっともフォーサイトと比べたら、もう1点気になる点がありますね。
フォーサイトは、本試験までに高い学力を獲得していたのに落ちてしまった場合に返金されます。
言い換えますと、合格させる能力に自信があるわけです。
しかしエル・エーは合格した場合に返金します……合格する受講生がそれほど多くないのではないか?
そのような疑惑が生まれてしまうことは否めないでしょう。
おすすめの8講座で行政書士試験に合格を!
行政書士の通信講座のおすすめ8講座を、立て続けにご紹介しました。
8講座とも、それぞれ人気がありますし、インターネットの上でしょっちゅう噂の的になってきた講座ばかりです。
宣伝だけでなく、それぞれがカリキュラム等の特色に注力していますね。
しかし、合格返金保証制度という1点で比較するなら、思ったよりも差がつくようです。
普段はなかなか見えない裏の特徴も見えてこなかったでしょうか?
- 合格させるカリキュラムに自信を持っているのは、フォーサイト
➡合格できるのに落ちた受験生だけに全額を戻せるのは、フォーサイトしか見つかりません - 本試験終了後~合格発表までに、翌年度に向けた申し込み&勉強再開をしたい受講者向けの制度が、TAC・大原・クレアール・アガルート
➡1年以上続くコースを申し込んだ場合や、1発で受かる自信を持てず本試験からすぐに受験勉強を再開したい場合には、合理的な制度と評価できるでしょう - 合格返金制度が今のところ、受けられないのがユーキャン・スタディング
➡返金にこだわらず、その他のサービスに特に心惹かれる場合に申し込んだほうが正しいと思われます
行政書士の通学講座・通信講座で合格返金保証制度は、珍しい制度ではありませんが、比べたらこんなにも違いがありますね。
どこがお得なのか、自分自身の受験勉強のやり方と照らし合わせてから最終決断をしたほうが幸せでしょう!